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2005.12.01

挨拶はむずかしい

 過日、友人の結婚式に出席してきた。
 式は独創的で、何より新婦新郎ともにこやかで、晴れやかな姿に、喜びがあふれていた。
 参列したものにもその幸せが伝わってくる、いい式だった。
 続く披露宴も、参加者への思いのあふれる宴であった。

 で、その席でスピーチをすることになった。
 普段プレゼンテーションの研修をし、毎日はじめてあう人々の前で話をしている。
 だから、スピーチは得意かというと、そうでもない。
 プレゼンテーションとスピーチは似て非なるものなのだ。

 スピーチとプレゼンテーションの違いは、

 スピーチとは、聞き手に「楽しみを与える」ことを主目的としている。

 それに対してプレゼンテーションは、「相手の行動変容」を求める、ということである。

 スピーチは、楽しく、心に残る何かがなくてはならない。しかも、相手の行動の変容を求めなくてもいいのだ。
 ビジネスプレゼンテーションに比べれば、「説得」する要素が薄い分、気楽と言えば気楽なのだが、楽しく、心に残る、というのが難しい。

 プレゼンテーションは、説得する、自分の主張を間違いなく、相手に届け、相手の意志をこちらの意図するように誘導することを目的としている。だから、記憶に残すことを目的としても、楽しさは重要な要素ではない。

 まあ、だから、いろいろと悩みましたね。
 何を話すのか、少し楽しくなくてはならず、それには自分のことも少し話したらいいのかもしれないし、でもやっぱりプレゼンテーション講師らしく、ナンバリング、ラベリングした方がいいのかな、などなど。

 で、話したのは、以下のようなもの。
 原稿は作ったけど、実際のところは幾分変わっている。

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結婚おめでとう、○○君、△△さん。

また、○○家、△△家の皆様、誠におめでとうございます。
本日は、このような盛大な宴にお招き頂き、厚く御礼を申しあげます。
○○君とは、云々

さて、お二人はココまで結婚式の準備をしたり、するのは楽しいことだったと思います。

二人の門出に、少し結婚生活の先輩として、結婚生活を楽しむコツを二つだけ、お話します。

一つは、9割やって半分と思うこと、
二つ目は隣にいてくれてありがとうと感謝する、
この二つを肝に銘じれば、楽しくやっていけます。

 夫婦はお互い、9割やって半分くらいと思われる、と思うことです。
 生活をともにしていけば、家事やそして育児もしなくてはなりません。
 家事や育児は自分が9割くらいやっているなあ、と思っても、相手には半分くらいしかやってない、と思うものです。
 例えば、晩ご飯、自分は食べたものを片付けたら、家事を半分はしたと思うものです。
 しかし、奥さんはは献立を考え、材料を買い、料理をして、用意して、給仕して、と9割はやっているのです。
 自分のことは多めに、相手は少なめに見るもの。自分は9割もやってちょうど半分くらいと思うと、お互い半々にります。

 でも、時に衝突することもあります。
 自分は9割で、相手は1割しかしてないじゃないか、なんて思ってしまうと、喧嘩になります。1割でもやってくれたんですから。
 一人の時はすべてをしなければいけなかったのに、相手がいるから9割しかしなくていいんです。ありがたいじゃないですか。
 隣にいてくれて、ありがとう、と思えば心も和みます。

 二人でいれば、喜びは2倍に、悲しみは半分に、そして、楽しみは3倍になります。
 これから二人で楽しく、お幸せに。

 これをもちまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。
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 と、まあ、挨拶はむずかしいのである。

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