スパイ大作戦 MISSION IMPOSSIBLE――★★★★
あー、面白かった。
読みはじめると、もう止まらない、ページをめくるのがもどかしい。
室積 光著
双葉社 1,680円 なんだかしょぼくれた中年スパイ(なんだろうか)田畑の日常が、スパイドラマの戯画で微笑ましい。
時代背景が高度成長期の日本、昭和40年代というのが泣かされる。現代ではスパイ物語は成り立たないからね。
冷戦下、CIAとKGBの暗闘にしょぼくれた中年スパイが絡んでいくところが味噌なのだろう。
最初はホントにしょぼくれた落ちこぼれスパイと思っていたのだが、それが徐々に輝きを増し、CIAのエージェントたちよりプロに思えてくるから凄い。
最後の華やかな(!!)闘いが胸のすくような展開、その攻防の後の話が、泣かせる。
じんわりと目頭が熱くなるのだ。
小説の楽しみを充分に味あわせてくれる一冊だ。
| 固定リンク
« デュエリスト――★★ | トップページ | 洋子さん、あなたのことが気になります。 »
コメント