物語の文法 映画の文法 フィクサー Next 僕の彼女はサイボーグ
この数ヶ月、映画の試写会に嵌っている。もちろん、劇場でも観ている。
映画が好きだが、なかなか時間が取れないし、子どもも小さいし、と試写会に行くのを躊躇っていた。
最近、たまたま試写会に行き、楽しくて、爾来いろいろと試写会に応募している。
結構当たるもので、仕事の合間を見て見に行っているのだ。
映画の感想をブログや日記に綴っている。そうなると、他の人はどうなのかも気になる。
他の人の感想も気になる。自分が気に入った作品であればあるほど、感動を共感したくなるのだ。
いろいろなサイトやブログ、ミクシィのレビューを読んでいると、「オヤ?」と思う記述に出会う。
どうも、自分の理解と様々なレビュアーの意見が食い違うのだ。その映画のそのシーンは、そういう意味ではないだろう、とかね。人によって理解や感想は違うもの、それは当然のこと。好き嫌いも様々だ。「作品を誤読する権利」を受け手は持っているし。
それにしても、あまりに物語とはかけ離れた解釈ではないのか、と思うこともある。
――これからは映画のストーリーやラストなどを詳説する場合があります。
まだ、ご覧になっていない方は、いわゆる「ネタバレ」であることを了解下さい。――
例えば、「フィクサー」
ジョージ・クルーニーの渋い演技が素晴らしい。凝ったストーリー展開が緊迫感を生んで、この春一番の傑作だと思うのだが、一般の感想では、複雑なストーリー、時間が戻る展開でわからなかった という感想が散見される。
これは A→B→C→D という時間に沿った流れを、
B→C A→B→C→D と展開されているだけのことだ。
映画の冒頭にいくつもの謎が提示される。
Aがあって、BCといくのに、いきなりB→Cの展開では、面食らう。そこがねらい目なのだろう。
これは、そんなに難しいストーリーなのか?
例えば、「Next」
ラストが夢オチで、なんだかなあ、という感想がちらほらある。
確かに、緊迫した状況、救えなかった世界、核爆発は起きた、と思ったら、それはただの予知夢だった。というのは、いただけないだろう、という気になるのはわかるような気がする。
でも、それはそれまでの伏線を読み違えているだけではないか、と思うのだ。
主人公は、たった2分先の未来が見える冴えない超能力者だ。
それが、運命の女性に関しては2分を超えて未来を見ることができる。
運命の女性と結ばれることで、主人公は自己中心の未来から社会全体あるいは更なる未来を見通す力を得ることになったのだろう。
運命の女性と出会うまでは、守るものもなく、孤独であり、自分だけの世界で生きていたのだ。
それが、彼女との出会いで、世界を広げたのだ。
ということを予知夢から目覚め、FBIに積極的に協力姿が示しているではないか。
例えば、「僕の彼女はサイボーグ」
綾瀬はるかの演技が素晴らしい。二十歳前後の女優陣の中では、飛び抜けた存在になるのではないか。一頭地を抜くのではないかと思わせる。
この映画は、輻輳する時間軸(次元)が、物語を豊かにし、画面に釘付けにさせる。
が、この中で、主人公の飼っていたペットが最初イグアナだった。それが綾瀬はるかサイボーグによって鍋にされてしまう。いなくなったはずのペットが終盤には復活する。猫として。ここを不可解、ミスではないか、とする感想を読むことがある。
う~ん、これは物語の重要な象徴なのではないかなあ。
最初に未来の主人公がサイボーグに託した映像の中で「変えた世界を修正しようとするだろう、彼女(サイボーグ)はそれを守ってくれる(というような意味のこと)」を言っている。
変更された過去は、別の時間線を創り出す。しかし、多元化した宇宙には、元の宇宙に収束する力が働く、といっているのだ。
サイボーグが現れたことで、既にひとつ加わり、過去に旅したことでまた加わり、といくつかの新しい時間線を創り出している。
サイボーグが料理してしまったペット、既に存在しないということになっている。それなのに再び現れる、爬虫類ではなく猫ということは、既にサイボーグが爬虫類を鍋にしてしまったのとは違う時間線になっているということだろう。そして、ないものが現れるということは、ひとつの宇宙に収束しようとしてることなのではないか。
最初の宇宙のように、主人公は若くして死すべき運命、それを全うさせようと、何かが動き出し、主人公に災難が襲いかかるとことの兆候になっていたのだ。
と読み解くのは、穿ちすぎだろうか。
さて、他の人はどう思ったのだろうかね。
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