11月に読んだ本
相変わらず、細々と読んでいます。
☆☆☆:是非! ☆☆:いいですよ ☆:何もなければ ×:手にしてはいけません
☆☆☆名短篇、ここにあり 北村薫 宮部みゆき 編 筑摩書房
短編の名品が納められています。
「あしたの夕刊」とか「少女架刑」とか、「冷たい仕事」「隠し芸の男」などなど、すばらしいです。
編者の趣味がいい意味で反映されたアンソロジーです。
☆☆☆奪回 ディック・フランシス 早川書房
巧みなストーリー、紙面から立ち上がるように描かれる人物、物語に引き込まれてしまう。
年を経てもすばらしい作品はすばらしいということだ。
☆☆ 戸村飯店青春100連発 瀬尾まいこ 理論社
瀬尾まいこの視線は優しい。
対立する兄弟、その様子をそれぞれの立場から描き出す。
兄を疎ましく思う弟、家族の中で疎外感を味わう兄、
しかし、それは……。
「羅生門」以来の多角的視点からの描写は(羅生門からかは確かではないけれど)、一つの出来事をざまざまな側面から描いていく。弟の視点と兄の視点の交差している様子は何とも切ない。
青春小説でありながら、謎解きのような面もある。
楽しく、安心して読める。
☆☆ 悩む力 姜尚中 集英社
脳天気に生きてきたものとしては、「悩む」ことにあこがれる。
近代的自我の喪失とか、アイデンティティークライシスとかいうのは「甘美」な響きがある。
答えを求めるものだけが、答えを得られる、という当たり前のことだけど大事なことがわかるのである。
しかし、少々悩ましいことの一つや十はあってもいいのだな。
☆☆ 峠越え 山本一力 PHP研究所
様子のいい人が出てくる。清々しい小説。
☆ 角 ヒキタクニオ 光文社
眼高手低というか、せっかくの角が活躍しないのがもどかしい。
☆ 樹海戦線 j・c・ポロック 早川書房
なかなか面白い。
ただ、読んだ後には残らない。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 最後の作品をめぐって(2023.08.08)
- これからの未来は過去にある(2023.07.30)
- 銃弾の嵐を生き抜け!(2023.07.25)
- ほんねこ堂読書会 積極 谷川史子(2023.02.07)
- ■オンライン■12月19日(土) ブックトークオフ読書会 を開催します! http://ptix.at/nzY9Qs(2020.12.11)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 会話の多い本屋の店員になる!(2023.09.12)
- 週末は、霞ヶ関(2023.07.29)
- ほんねこ堂読書会:成瀬は天下を取りにいく(2023.07.23)
- フラゲした(2023.06.27)
- ついにデビューしました!(2023.06.27)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 働く土曜日(2020.05.23)
- 週末は、自宅で繋がる、学ぶ、語る、の「3る」を(2020.04.24)
- 秋の北海道にいくなら、道東の小清水町は避けた方がいい、これだけの理由――メディアグランプリ(2016.09.22)
- リーディング・ハイ 「わたしは、どれだけ彼女を幸せにすることができたのだろう」(2016.09.21)
- 道頓堀の回転寿司で、途方にくれた…… 今週も、天狼院メディアグランプリ 参戦中!(2015.05.26)
コメント