なぜ、払ってくれないんですか!! と言われても…… 架空請求詐欺撃退記
研修中の昼休み、お弁当を食べ終わり寛いでいると携帯電話が鳴った。見知らぬ番号、しかし非通知ではない。
田舎の両親は傘寿も越え、いつ何があってもおかしくない。その……
と電話に出ると、いきなり
「なぜ、払ってくれないんですか、会員登録して会費が払われてませんよ」といわれてしまった。
何のことだろう、カードの会費が落ちていないのだろうか、突然のことに動転してしまう。
「え~と、なんのことでしょう」とおそるおそる訊くと
「あなたは出会い系サイトに登録したのに、会費が滞納されているんですよ」
は~ 携帯電話の出会い系サイトねえ、全く身に覚えがない、そもそも携帯のサイトにアクセスすること自体ないのに、何を言っているのか。
「そんな覚えはないんですけど……」と少し気弱に言い返すと
「いいですか、5月10日の午後1時2分に登録しているんですよ」
なんと半年前の日時をいってきた。
これは巧みだ。
半年前の特定の日時に何をやっていたか、はなかなか思い出せない。半年前ならもしかしたら……と思わせる絶妙な時期だ。
ところが、こちらはスケジュール帳を見れば、半年前の何日、何時に何をやっていたのか、およそわかる。その日は研修中、午後いちに携帯にさわることすらできない。
もともと身に覚えのないこと、さらにその日は無理とわかって、強気に言ってみた。
「その日は、仕事でアクセスすることそのものができないんだけど、どうして登録したことになっているんだ」
「こっちには38歳、埼玉県で登録されているんですよ」
データがいい加減すぎて、かえって巧妙だ。出会い系に登録するのに、正直に年齢や住所を申告するものはいないのかもしれない。38歳は、もしやと思わせるものがある。埼玉県というのも曖昧でそうだったかと思わせる。
が、こちらは身に覚えがないので強気にでる。
「ところで、私の名前は?」
「え、え~、こっちはそんなんじゃないんだよ。38歳埼玉県で登録されているんだ」
「名前がわからない、ということですね。どうして、こちらの(携帯電話)番号がわかったんですか?」
「それはね16○×……ezweb~~って登録されているんだよ」
「メールアドレスがね。でも、それは私のアドレスじゃないなあ」
「それなら、こっちでそのように処理しておくから……プチ」
携帯番号をメールアドレスに使っているかのように言ってきた。ところが、私の携帯メールアドレスは迷惑メール対策用に長いのだ。覚えきれないほどの長さなのだ。
アドレスが違うと言われた時点で、相手はこちらに脈がないなと思って切ってしまった。
ふ~、やれやれ、びっくりした。
架空請求詐欺の電話だったのだろう。
仕事中、それも昼休みという時間でなかったら、もう少しましな対応もあったろうが、惜しいことをした。
教訓:怪しい電話がかかってきたら、
相手に情報は与えるな、情報を引き出せ。
嘘なら相手が自ら認める。
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