大奥、そして娘の出奔
大奥と娘の出奔
久しぶりにマンガにのめり込んでいる。
遅ればせながら「大奥」よしながふみ、白泉社である。
男が激減してしまった江戸時代、男に変わり女が働き、将軍も世継ぎの男がいなくなってしまった。代わりに女が将軍となり、大奥は美男が巣くう。その中での権力闘争のが描かれている。それが狐と狸の化かし合いのように、面白い。押して、引いて、搦め、裏をかいて、さらにその裏の裏をかき、そのまた間隙を縫って裏をかく、駆け引きの妙に感嘆するのである。
江戸の昔でなくても、我が家にも権力闘争家がいる。
娘である。
自分の思いを貫くために、あの手この手で攻めてくる。
今日も服装のことでひとしきり闘いがあった。
娘は短パンをはいてラジオ体操に行こうとしていた。
妻と私は、「短パンはダメ、長いズボンをはきなさい」というのだが、これが聞かない。
娘には太もものところに少し痣がある。レーザー治療をして、少し薄くなってきた。しかし、紫外線を浴びるといけないのだ。薄くなった痣もまた元に戻ってしまう。
娘も知ってはいるのだが、暑いのに長いズボンははきたくない。
ここで一悶着が起こるのである。
親「長いのをはいていきなさい」
娘「イヤだ!」
親「どうして」
娘「暑いもの」
親「折角の治療が無駄になる、紫外線に当たってまた痣が出てくるんだからね。そうなりたいなら、そうしなさいよ」(脅す)
娘「イヤだ!」
親「じゃあ、長いのはいていきなよ」
娘 渋々長いズボンをはく、渋っているのでモタモタしている
親「早くしないと、ラジオ体操終わっちゃうよ」
娘「母が悪いんだからね、あれはけ、これはけって、いいズボンないんだから」
親「最初から、長いズボンを探して、さっさとはけばよかったでしょ!」
娘「だから、母のせいだからね、あ~ん!」(無茶ぶりをしてくるは、大声で泣くはでもう大変)
娘「もうイヤ、母も父も兄も嫌い、出て行く!」 家から出て行こうとする娘
まあ、子どもが出て行っても行くところがないし、すぐ帰ってくるだろうことはわかっているのだが、幼い女の子が一人でふらふらしていたら、今のご時世、何が起こるかわからない、必死で止めに入らざるを得ない。
主導権争いをしているのである。
私のいうこと聞かないなら、家を出るわよ! と。
何という策謀家だろうか。
娘は条件闘争に持ち込もうとしているのだ。
親としても、娘の策略に乗るわけにはいかない、下手に条件闘争になると、あとはつけ込まれる。悩ましい限りだ。
小学校低学年でこの有様である。
このような主導権争い、権力闘争、策謀、陰謀、があと何年、どれほど渦巻くことやら。やれやれである。
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