2013年 7月の読書
2013年7月の読書
・瀧羽麻子さん、柚木麻子さんのダブル麻子がいい。
・桜木紫乃さん、直木賞おめでとうございます。
・出張の時は、ぶたぶたと東京バンドワゴンを読んで、癒されます。
□くまちゃん 角田光代
連作短編集にして、片思い連作集である。愛は成就したかに見えて、同じ方向を向いていないことに気がついた時の哀しみが伝わってくる。
□いつか、君へ Boys 集英社文庫
作家それぞれの持ち味を味わい、楽しむアンソロジー。小川糸、朝井リョウの作品が心に残った。米澤穂信は嫌いではないのだが、私はやっぱりパズルミステリは苦手なのだなと再認識した。
□キッチンぶたぶた 矢崎在美
癒されます。 飄然としたぶたぶた、美味しいものを一生懸命作る姿は、多分微笑ましいのだろう。 ぶたぶたのキッチンで、定食を食べてみたいですな。
□オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン 小路幸也
和みますね。
□今日はぐっすり眠りたい。 細川貂々
眠れない夜がないので、よくわからないのだ。
□和菓子のアン 坂木司
美味しい和菓子が食べたい、と思わせるほどの本だ。 デパ地下の和菓子店に勤める主人公、いたって普通の女の子が仕事に萌え、和菓子に萌えていく物語。 和菓子の名前や造形が、まあ、しゃれなのねとわかって、ちょっと嬉しい。
□左京区恋月橋渡ル 瀧羽麻子
胸締め付けられる純情恋愛小説! 汚れちまった大人には眩しい!
□あの日、君と Girls 集英社文庫
胸に染みます
□硝子の葦 桜木紫乃
霧の中に誘い込まれるようなお話。
ホテルローヤルのもう一つの物語。
□ホテルローヤル 桜木紫乃
釧路湿原を見下ろす丘に立つラブホテル「ローヤル」、ホテルを巡る人々の物語。
人生、いろいろあるよね。としみじみとする。
□皆に幸せな新年 ケイケイの名を呼んでみた 金衍洙
韓国文学の今を伝える、素敵な短篇たち
静かで磨りガラスを通してみているようなお話たち
□怪獣文藝 パートカラー
怪獣は晦渋かな
□終点のあの子 柚木麻子
あふれ出る才能に平伏する
お嬢様学校を舞台に、女子高生たちの思春期の心の機微が確かな筆致で描かれている。
男性には読んでいると少し息苦しいような、濃密な情感が、するりと書かれているのだ。
少しエキセントリックな同級生に憧れ、反転してゆく様、少し大人に背伸びしてみた少女、心地よい関係を求めながら、殻を破れない少女、そして4年後の彼女は…。デビュー作にして完成されてる!
□株式会社ネバーラ北関東支社 瀧羽麻子
納豆は粘るけど、この小説は爽やかだ
ともかくこの小説を読むと納豆が食べたくなる。よくかき混ぜて、しばらくおいて、混ぜるときは歌を歌うのだ。
東京で燃え尽きた女性が田舎の町にやってくる。そこはのんびりとしていて、バスも1時間に1本しかない。気の置けない仲間たちと仕事をしていると、支社の乗っ取りの噂が…。のんびりとしていた彼女はどうするのか。
爽快な風を感じる一冊である
□うさぎパン 瀧羽麻子
初々しい恋の物語
高校生の優子は、パンと同級生の富田君のことが気になる。つかず離れずの関係、淡い思い、高校生の初々しい恋いが愛おしい。家庭教師の美和ちゃんら、彼女の周りの大人の女性たちの視線が優しい。 併録の「はちみつ」も、清々しい恋の始まりの物語だ。
□研ぎ師太吉 山本一力
真っ直ぐいく男の物語
研ぎ師の太吉の所に「かおり」と名乗る女が現れる。父親の形見の包丁を研いで欲しいという。その女が、人をあやめたとされて捕らえられた。包丁を研いだだけの太吉は、彼女は無実だと思い動き始める。真っ直ぐいく男の周りには、信頼の置ける男たちが…。 一力節全開の作品。 心安く読めます。
□頭が良くなる議論の技術 齋藤孝
議論の入門書として最適である。
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