読書感想文 カフネ/阿部暁子
「死んだ弟の元恋人は、すでに十九分遅刻している」
書き出しの一行で物語に引き込まれた。
弟がいるのか、その弟は亡くなっている。
いつ、なぜ亡くなったのだろう。
弟の元恋人に会おうとしているのはなぜ?
十九分も遅刻するって、元恋人はどういう人なのか。十九分、約二十分でも、おおよそ二十分ほどでもなく、十九と細かいことを気にする人なのか、この主人公は……
この物語のすべてが書き出しの一行にある。
そして、ここから生じた様々な問いに応えるように、物語は進んでいく。
ただ、最後の方は読みづらくなってしまった。どうにも視界がぼやけるのだ。瞬きをしても、文字が滲むのには参ってしまった。
最後はこのタイトルの意味がよく分かる場面である。
作者は、最後のこの場面を書きたくて仕方なかったのでは、とさえ思う。
●併せて読みたい「光のとこにいてね」一穂 ミチ
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